パーピマン

神話三部作の予定が五部作になりそうです。第四部冥界編、闇の詩です。

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遥かな昔、眠れる獅子の地に

性善説と性悪説を唱えた者たち

万人の万人に対する闘争と言った者も

良心とエゴイズムの狭間で葛藤する

我々には仏性と魔性がせめぎ合っている

どちらに傾いているかに過ぎない

 

冥府の王ハデスはペルセポネーを攫い

彼女はザクロを食べて冥府の女王に

デメテルとケルベロスが四季を告げる

オルペウスの竪琴も妻を連れ返せない

船頭カロンは地獄の沙汰も金次第

 

栄光に与れなかった者たちの世界

濃い霧に包まれたニヴルヘイム

女主人ヘルは長い白髪と青白い肌

死者の爪の船ナグルファルに乗り

虚ろな目をした亡霊たちを従えて

巨人スルトとアスガルドに攻め込む

 

モリグー・バズヴ・ヴァハの三羽烏

戦場の空を飛び回り屍肉を漁る

血を求める殺戮と戦慄の三女神

かのクーフーリンも傷を負うが

死せる彼の肩にとまるは烏の女神

 

愛の女神イシュタルの冥界下り

身代わりとなった夫ドゥムジを追って

妹エレキシュガルが支配する冥府へ

彼女が地上から消えたことで

人間も動物も愛の営みをやめてしまった

 

豊穣の神バアルはベルゼブブ

すなわち蝿の王と烙印を押される

黒山羊の邪神バフォメットも

妄信的に魔女狩りに利用される

果たしてどちらがルシファーか

 

男のシャドウか悪魔には女が多い

黄泉醜女と黄泉軍を仕向けるイザナミ

生首をぶら下げた血に酔いしれるカーリー

首を吊った者に名誉を与えるイシュタム

アダムに従わなかったリリスがその象徴

 

オイディプス王とアンティゴネー

逃れられぬ宿業に呪われた父娘

シシュポスは神々を欺いた罰として

タルタロスで永劫に岩を持ち上げる

彼らのタナトスは誰がもたらしたのか

 

バルドゥで閻魔大王が舌を抜く

火を崇める民はゲッシュの戦士のごとく

その亡骸を鳥に啄まれて葬られる

災いの根源アンラ・マンユは

ジャハンナムの業火に投げ込まれる

 

地獄の最下層、氷のコキュートス

一筋の光も届かぬ深い闇の底

凍った水面が軋む音が響く

そこには真実の愛を裏切った者たち

銀貨三十枚で師を売ったイスカリオテのユダと

手紙に唆されて友を売ったブルートゥスと

驕慢から僧団を壊したデーヴァダッタが

がりがりと無意識に牙を剥く

大魔王サタンに噛み砕かれている

うすら笑いした虚ろな表情を浮かべて

 

どこかから「まだ足りぬ」という声

彼らに哲人のいう矯正はあるのだろうか

裏切り者の目に涙が浮かぶのならば、あるいは