ひふみよいむなやこと
ふるべ ゆらゆらと ふるべ
露と落ち 露と消えにし 我が身かな 高洲のことも 夢のまた夢
棚田から山の奥へ入っていく
鬱蒼とした森を掻き分けて
すると前から光が差し込み
開けた空間が広がっている
緑で青々と見るも鮮やかだ
苔むした墓のような石たち
足元には紅葉の落ち葉が
その先を登っていくと
城か館のような上品な建物
壁には蔦が生い茂っている
そばには風見鶏がくるくる回って
周りには桜の花が咲き誇る
天からは日の光が降り注ぐ
小烏の奥にある秘密の花園
夢の中 森を掻き分け たどり着く 心の中の 花園求め
ひふみよいむなやこと
ふるべ ゆらゆらと ふるべ
小学校の同級生の女の子
貧しい生活をしていた
二十歳にも満たず
脳腫瘍で夭折した
心根の優しい子だった
学校を休んだ彼女に
プリントを届けにいく
丘の上にある古いアパートだ
すると彼女は花を摘んでいた
あの頃の無垢な少女のまま
こちらに駆け寄ってきて
レンゲの花束を手渡される
花言葉はわからないが
あなたが好きと受け取った
顔は優しく微笑んでいた
辛いとき 君は夢から 励まして 花束渡す そっと微笑んで
ひふみよいむなやこと
ふるべ ゆらゆらと ふるべ
かつての想い人を訪ねて
いつものように彼女を求めて
家からてくてく歩いていく
ようやくアパートまで着いた
窓から彼女がこちらを見ている
なぜか神妙な顔をして
彼女には会えず引き返す
おもむろに大空を仰ぐと
太陽が燦々と照りつける蒼空を
漆黒の大鴉が天高く飛んでいる
するとその鳥が舞い降りてきて
わたしの華奢な肩にとまる
恐れを覚えるような大きな鉤爪
けれども不思議と痛くはない
どこか優しいものを感じた
想い人 訪ねて行くも 大鴉 天高く舞う 我と共なり
ひふみよいむなやこと
ふるべ ゆらゆらと ふるべ
露と落ち 露と消えにし 我が身かな 高洲のことも 夢のまた夢
ひふみよいむなやこと
ふるべ ゆらゆらと ふるべ
