心くじかれた かつてのわたし
それは神の試みか 魔王の仕業か
今となっては わからぬまま
大きな苦難が 小さき者に降りかかってきた
あまりの災いに わたしは耐えきれず
自らあなたの手を離した そして奈落の底へ
しかれども あなたが手を離したわけではない
わたしの弱さが もう無理ですと言った
それゆえ あなたに咎はない
祈っても届かない わたしはそう思った
信仰を失うこと これ以上の苦しみがあろうか
わたしはそれに慄き 心砕かれた
それからというもの わたしは人ではなくなった
けだものか亡霊 そういったものに成り下がった
わたしはひたすら 快楽と憎悪とを貪った
災いも引き続き わたしは理性さえも失いかけた
それでもあなたは わたしを見捨てはしなかった
現にわたしは 地獄の底でも生きながらえていた
わたしは死ぬべきところを 命をとりとめていた
それは母と祖先 そしてあなたが守っていたから
ある人が言った これは御仏の無慈悲の慈悲と
そのときのわたしは その言葉が受け入れられなかった
信じても報われなかった その思いがわたしの病だった
けれども今では その言葉はまことであったと思う
あなたの愛の鞭によって わたしは陽の当たる世界へ
あなたの教鞭によって 賢さと知識とが備わった
世界を旅して回ったつもりが わたしはかの孫悟空のように
あなたの手のひらの上で ひとり踊っていたにすぎない
まさしくあなたは わたしに学ばせたかったのだ
悲しみが自分であり 自分が悲しみとなったとき
苦しむわたしに あなたは再び手を伸ばされた
いや常にあなたは 救いの御手を伸ばされ続けていた
愚かなわたしが それに気づかなかっただけ
受難の半生が終わり あなたの光に気づくときが来た
わたしはその光を覚えていた 懐かしさを感じる
もう手遅れ そう誰もが思っていた
しかしあなたは そんなわたしをも忘れはしなかった
わたしはもう充分 その報いと鍛錬を受けた
今ではすでに あなたの厳しい優しさに従える
あなたは不死鳥 そのごとくわたしもよみがえる
心鍛えられた 今のわたし
それはあなたによる 思し召しというべきもの
あなたはわたしを このようによみがえらせた
あの大きな苦難をも あなたは善きものに変えた
あまりの幸いに わたしは喜び勇むばかり
賢くもわたしは再び あなたの手を取った
咎があったのはわたし 報いを受けたまでだ
もう決して あなたの手を離すことはない
あなたの御手を しっかりと握りしめる
祈りは聴き届けられる わたしはそう信じる
信仰を取り戻したわたしは もはや無敵の人
わたしはそれに歓喜し 心癒された
ただあなたの御心に 一如していくのみ
それをわたしは おぼしめしと名付けた
すべてはあなたの 尊い思し召しであった
その道を歩むこと あなたに感謝します
おぼしめし そは神の愛 尊き智 我鍛えられ 道をゆくなり