わが神 なんぞ我を見捨てたまいし
苦しみ呻いて そう何度つぶやいたことか
神よ あなたはお答えにはならない
ただわたしの心の叫びが響き渡るだけ
あなたは聴いておられるのですか
神も仏もなし それがわたしの怒りでした
我に罪咎なし なにゆえにと
あなたを何度そしったことでしょうか
わたしは救いを求めて彷徨っていました
あてどなく いにしえのひじりの言葉を集めました
たしかに賢くはなったのでしょう
しかれども救いはなし
子供の頃見た あの蜘蛛の糸
今も深く胸に刻まれている
カンダタは当時 わたしとは関係がなかった
かわいそうな人 悲しいお話であると
そう片付けていた ただ子供心にも覚えていた
何か予感するものがあったのだろうか
神も仏もなし 本当にそうでしょうか
我に罪咎あり それゆえにと
あなたをそしる資格はありません
わたしは今なお 救いを求めて彷徨っています
いにしえのひじりの言葉よりも 自分を顧みます
さとりとは 罪の自覚のことでしょうか
しかれども救いはあり
あなたの社の周りで憩う
そのひととき わたしの病は癒やされる
あなたはいつもあたたかく迎えてくださる
わたしはあなたのゆりかごで育った
魂が天の山を登ってゆく時まで
神よ どうかお守りください
あなたの慈しみに感謝いたします
子供の頃見た あの蜘蛛の糸
今も深く胸に刻まれている
カンダタは今 まさにわたしである
罪を犯し 六道の下層を輪廻している
そう今は感じている わかったのは大人になってから
何か予感通りになってしまったのだろうか
わが神 なんぞ我を見捨てたまいし
わたしの罪が わたしの嘆きの理由
懺悔すれども 仏の慈悲は届かず
癒すにすべなし 神の愛によってでも
されどあなたは手を差し伸べる
今度は欲のため 糸が切れることのないように
あなたの御手を わたしはしっかりと握りしめる
今はただ あなたを畏れかしこみ 御前にひざまずく
わたしが愛した小鳥と共に
あなたは常にわたしのうちにある
赦したまえ 護りたまえ わが守護神よ
「たまさかに 神が憐れみ 蜘蛛の糸 己が欲にて 落ちるべからず」
「わが渇き 御歌によりて 癒されん げに奇しきかな 涙し流る」
「わが叫び 神と共なり 必ずや 救いの御手は 差し伸ばさるる」
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