神社概要

神社名 小烏(こがらす)神社、通称・小烏社、古名・五烏ノ宮
所在地 山口県柳井市伊保庄西高須4961
祭神

五烏大明神、五智如来、保食神

神徳 病気平癒、延命長寿、五穀豊穣、創造神、不死鳥
御心 わたしはあなたを守る

由緒

 

 伝説によると、推古天皇の治世において創建。この地で崩御された烏の神を祀る。五烏大明神は五色のカラスであるが、本体は五智如来、あるいは大日如来である。のちに、豊穣の神である保食神(オオゲツヒメ)とも習合している。なぜ五色なのかというと、本地は真言密教の五智如来であり、陰陽五行説の五行であり、五臓を守るということを表しているからである。伝説に市杵島姫命が登場するなど、宮島との関わりが深い。それを裏付けるかのように、厳島神社の創立者である佐伯鞍職も、推古元年にイチキシマヒメと感応し、宮島を創始している。

 もう一つ短い伝説があり、そちらは天武天皇の時代に、この地で朱い三本足の烏が生まれて朝廷に献上したところ、天皇は瑞祥であるとして大変お喜びになったというものである。そのことから直ちに元号を朱鳥とし、この地を烏王庄と名付けられた。いずれにしてもカラスの神霊を祀るものである。

 なぜ管理人が朱烏の伝説や保食神との習合よりも、五色の烏の伝説を採るかというと、鳳凰のような鮮やかな姿もさることながら、本経は明確に衆生済度の救済性を持つからである。神が臨終に救いの誓願を遺しており、世界のカラスの神話の中でも唯一無二のものである。一般的にはカラスの神は導きや王権、太陽の象徴に過ぎない。そこに本経の価値と至高性を見る。なお、小烏神社境内の注連石(オベリスク)の刻字も、維新の志士・白井素行による五烏伝説に基づいた撰である。我々は忘れられし古の神を再び召喚する。

五烏大明神