「私がいなくなっても強く生きて」
きみの遺言 きみと指切りげんまんさせられた約束
その通りにしたいけどできない
ぼくはそんなに強くない
ただきみへの想いだけが強すぎて この詩を書く
どうか神様 この想いを届けてください
きみがいない 誰もいない
きみがいなくなって ぼくはひとりぼっち
まるで神様と対話するように
いつもきみに語りかける
返事がないのが たまらなく悲しい
いつものように なんでも伝えたくて
枕元にきみの写真を置いて 朝晩、きみに話しかける
きみからの優しい返事がありそうで
ぼくに穏やかなほほえみを向けている写真
いつもぼくの心には きみがいる
ちはやぶる 神の島にて 巫覡舞う 夜空仰げば 星流れけり
幾度となく きみの夢を観る
まどろみの中 きみの儚い姿が見える
あるときは きみが隣で寄り添ってくれている
あるときは 「これで最後だよ」という言葉
きみの夢を観るたび かつての幸せにしばし戻る
でも目が覚めて すぐにうつつがやってくる
もうきみはここにいないんだ、と
もうきみとは二度と会えないんだ、と
悲嘆に暮れ 残酷な現実に絶望する
できることなら ずっときみの夢の中にいたい
きみがいないこの街が いたたまれなく悲しい
あの家、あの部屋に もうきみはいない
それを思うと 気が狂いそうになる
きみと一緒に歩いた道を 今は独りで歩く
涙がこぼれそうになるのを こらえて家に帰る
もうこの土手を きみと一緒に歩けないんだね
桜の下で 満面の笑顔のきみがまぶしいよ
いつもきみのおもかげを追って歩いています
御前にて ときわに願う よきえにし されどおろがむ 神のまにまに
きみがそばにいるときだけ 渇きから癒された
冷たい森に 日の光がそっと差し込むように
暗黒の世界を照らす太陽
干からびた草花に 誰かがそっと水をやるように
砂漠の隊商をうるおすオアシス
愛を知らず生きてきた人に 神様が顕れるように
そう きみはぼくの女神様でした
「主よ その水をください」
あのお社ではしゃぐ きみの姿
まだ昨日のことのようにも思えます
村のまほろば 狛犬のそばにいたきみが今はいない
カラスを見かけたら すぐにきみのことを想う
神様、どうかこの想いを届けて と祈ります
今はただきみが 笑顔でいてくれたらと願うばかり
たまには ぼくのことも想い出してくれますか
ひさかたの 天の鉄道 恋人に もたれて眠る 夢心地かな